■ はじめに
めまい症状に対して
抗めまい薬・抗ヒスタミン薬などを
服用されている方は多くいらっしゃいます。
ジフェンヒドラミン・
ベタヒスチンなど、
原因に応じた選択肢が存在します。
適切に服用することで
めまい症状を軽減し
日常生活の質を保つ有効な手段です。
ただし、めまいの誘因を正しく把握した上で
生活習慣の改善と組み合わせることが重要です。
■ 抗めまい薬の作用機序
抗ヒスタミン系抗めまい薬は
前庭神経核へのヒスタミン作動性入力を
抑制することでめまい・嘔気を軽減します。
ベタヒスチンは内耳の血流を改善し
前庭系の過剰興奮を抑制します。
いずれも「めまいの症状を抑える」
機序であり、体内の水分量を補給したり
循環血液量を直接増加させる
薬理作用は持ちません。
■ 起立性低血圧・脱水とめまいの関係
めまいの原因は多岐にわたりますが、
臨床現場で見落とされやすい要因の一つが
水分不足による循環血液量の低下です。
体内水分量が不足すると
循環血液量が減少し、
心拍出量が低下します。
特に臥位から立位への体位変換時に
脳への血流が一時的に不足し、
起立性低血圧によるめまい・ふらつきが
生じやすくなります。
不感蒸泄(呼吸・皮膚からの水分喪失)は
1日約900mlに達するとされており、
自覚のないまま脱水気味になっている
ケースは少なくありません。
抗めまい薬はこの症状を
一時的に抑える作用はありますが、
水分不足という根本的な誘因を
解消する機序は持ちません。
■ 生活習慣の介入ポイント
抗めまい薬と並行して
取り入れてほしいのが
適切な水分補給です。
【立ち上がる前に一口水を飲む】
起床時・長時間座位の後など
体位変換の前に水を一口摂取することで
循環血液量を補い
急激な血圧変動を緩和できます。
特に朝は就寝中の不感蒸泄により
水分が失われた状態です。
起き上がる前にコップ一杯の水を
摂取する習慣が有効です。
加えて以下の介入も推奨されます。
・1日の水分摂取量の目安:
1.5〜2リットル(食事からの水分含む)
・アルコール・カフェインの過剰摂取を避ける
(利尿作用により脱水を促進するため)
・急に立ち上がらず、
ゆっくりと体位変換を行う習慣をつける
■ まとめ
抗めまい薬はめまい症状を和らげる
有効な選択肢の一つです。
ただし、薬の作用は症状の抑制に
とどまります。
水分不足・循環血液量の低下という
誘発因子への介入は、
生活習慣の改善と組み合わせて
初めて完結します。
薬でめまいを抑えながら、
水分補給で体の土台を整えること。
それが、めまいを繰り返さない
現実的なアプローチです。
めまいでお悩みの方、
服薬に不安がある方は
お気軽にご相談ください。
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北川 俊一(薬剤師 / スポーツファーマシスト)
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