2026/04/14

肩に薬を塗る夜が続くあなたへ| 繰り返す肩の痛みを変える、 筋肉薬剤師が教える一つの習慣

外用消炎鎮痛薬と姿勢——
薬の役割と、肩の痛みを繰り返さない習慣

■ はじめに

肩の痛み・肩こりに対して
外用消炎鎮痛薬(ロキソプロフェン・
ジクロフェナク含有ゲル・クリーム等)を
使用されている方は
非常に多くいらっしゃいます。

適切に使用することで
局所の炎症・疼痛を緩和する
有効な手段の一つです。

ただし、繰り返す肩の痛みには
外用薬だけでは届かない
姿勢・動作パターンという
要因が深く関与しています。

■ 外用消炎鎮痛薬の作用機序

ロキソプロフェン・ジクロフェナクなどの
NSAIDs含有外用薬は
皮膚から吸収され
患部でCOXを阻害します。
炎症性プロスタグランジンの
産生を抑制することで
鎮痛・抗炎症作用を発揮します。

あくまで「局所の炎症を抑える」
機序であり、
姿勢のクセを修正したり
肩甲骨の可動性を
改善する薬理作用は
持ちません。

■ 慢性的な肩の痛みの病態

慢性的な肩こり・肩の痛みの
主要な原因の一つが
不良姿勢による
肩甲骨周囲筋の
慢性的な筋緊張です。

デスクワーク・スマートフォン使用による
前傾姿勢が続くと
肩甲骨が外転・前傾した状態で
固定されやすくなります。

この状態では
僧帽筋・菱形筋・肩甲挙筋などが
持続的に伸張・緊張し
局所の血流障害と
発痛物質の蓄積が生じます。

また肩甲骨の可動性が低下すると
肩関節への負担が増大し
インピンジメント症候群など
肩関節障害のリスクも
上昇します。

外用薬で局所の炎症を抑えても
不良姿勢・肩甲骨の
可動性低下が継続する限り
痛みが繰り返されるパターンが
臨床現場でも多く見られます。

■ 生活習慣の介入ポイント

外用薬と並行して
取り入れてほしいのが
肩甲骨の可動性改善です。

【肩の後方回旋運動】
肩を耳に向かって引き上げ(挙上)、
後方に大きく回して(後方回旋)、
脱力して落とす。

この動作により
僧帽筋・菱形筋・
前鋸筋が協調的に収縮し
肩甲骨の可動性が改善されます。
同時に筋ポンプ作用により
局所の血流が促進され
発痛物質の排出が
促されます。

1セット10回・
座位でも実施可能なため
デスクワークの合間・
就寝前など
日常生活に取り入れやすい
介入です。

加えて以下の介入も推奨されます。

・PC・スマートフォン使用時の
画面高さ調整
(頸部前傾姿勢の軽減)
・30分ごとの姿勢リセット
・胸椎伸展ストレッチ
(丸まった背中を
定期的に伸ばす)

■ まとめ

外用消炎鎮痛薬は
肩の炎症・疼痛を和らげる
有効な選択肢の一つです。

ただし、薬の作用は
局所の炎症抑制にとどまります。
不良姿勢・肩甲骨の可動性低下という
根本的な要因への介入は、
運動習慣の改善と組み合わせて
初めて完結します。

薬で炎症を抑えながら、
肩甲骨を動かして
血流と可動性を取り戻すこと。
それが、肩の痛みを繰り返さない
現実的なアプローチです。

肩の痛みでお悩みの方、
服薬についてご不明な点がある方は
お気軽にご相談ください。

───
北川 俊一(薬剤師 / スポーツファーマシスト)
Well Lab — well-lab-kitagawa.net

インスタグラム LINE note

©2023 TSUNAGARUCRAFT