夜の運動と睡眠——
トレーニングの時間帯・強度が
睡眠の質に与える影響
悩み:夜に運動しているのになぜか眠れない
「運動習慣があるのに
なかなか寝つけない」
「夜に筋トレをしたら
かえって目が冴えてしまった」
こうした訴えの背景に
運動のタイミング・強度という
見落とされがちな要因が
関与しています。
運動習慣があるのに
睡眠の質が低下している場合
トレーニングの時間帯と
就寝前の過ごし方を
見直すことが重要です。
現場と自分の経験から
薬局での服薬指導の場面で
「夜に運動しているのに
眠れない」という
相談を受けることがあります。
運動習慣があるにもかかわらず
睡眠の質が低下しているのは
非常にもったいない状態です。
競技ボディビルに取り組む中で
トレーニングの時間帯が
睡眠の質に与える影響を
実感してきました。
夜遅くに高強度の筋トレをした日は
交感神経の興奮が続き
入眠が困難になる経験を
繰り返しました。
トレーニングの時間帯と
就寝前の習慣を
意識するようになってから
睡眠の質が改善されました。
筋トレの成果は
睡眠中に生まれます。
眠れる体をつくることは
トレーニングの一部です。
夜の激しい運動が睡眠を妨げる理由
高強度の運動により
以下の生理的変化が生じます。
心拍数・血圧の上昇。
深部体温の上昇。
カテコールアミン
(アドレナリン・ノルアドレナリン)の
分泌増加。
交感神経の活性化。
これらは体が
活動モードにある状態を
示しています。
入眠には
以下の条件が必要です。
深部体温の低下。
副交感神経優位への移行。
コルチゾール・アドレナリンの
低下。
就寝直前まで
高強度の運動を続けると
体が活動モードのまま
就寝しようとすることになります。
入眠困難・睡眠の質低下が
生じるのは
体の仕組みとして
自然な反応です。
推奨されるトレーニングの時間帯
高強度の筋トレ・
有酸素運動は
就寝3時間前までに
終わらせることを推奨します。
就寝3時間前までに
運動を終えることで
深部体温が十分に低下し
交感神経の興奮が
収まりやすくなります。
就寝直前(1〜2時間前)の
運動は
軽強度のストレッチ・
ヨガ・呼吸法に
限定することを推奨します。
就寝前のストレッチの効果
軽強度のストレッチは
以下の効果が
期待できます。
筋肉の緊張緩和による
副交感神経の活性化。
血流促進による
末梢体温の上昇と
深部体温の低下促進。
呼吸を意識した動作による
リラクゼーション効果。
就寝前5〜10分の
軽いストレッチが
入眠を促進する
方向に働きます。
推奨される就寝前ストレッチ
首・肩の軽い回旋運動。
仰向けでの膝抱え
(腰・股関節の弛緩)。
股関節の開脚ストレッチ。
深呼吸を意識した
全身の脱力。
強度は
「気持ちいい」と感じる
程度にとどめます。
痛みが出る範囲まで
伸ばすことは
逆に交感神経を
刺激するため避けます。
睡眠とトレーニング成果の関係
筋力トレーニングの成果は
トレーニング中ではなく
睡眠中に生まれます。
入眠後90分の深い
ノンレム睡眠時に
成長ホルモンの分泌が
最大化されます。
成長ホルモンは
筋タンパク質合成の促進・
筋肉の修復・再生に
直接関与します。
睡眠の質が低下すると
どれだけ高強度のトレーニングを
行っても
その成果が最大化されません。
眠れる体をつくることは
サボりではなく
トレーニングの成果を
最大化するための
重要な要素です。
まとめ
夜の運動習慣は
健康維持に有効ですが
トレーニングの時間帯と
強度の管理が重要です。
高強度の運動は
就寝3時間前までに終わらせる。
就寝前は軽いストレッチに
切り替える。
この習慣が
睡眠の質を守り
トレーニングの成果を
最大化します。
睡眠・運動習慣についてご不明な点は
お気軽にご相談ください。
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北川 俊一(薬剤師 / スポーツファーマシスト)
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