2026/04/18

痛風の病態と治療—— 尿酸値管理と生活習慣改善の基本

■ はじめに

痛風は高尿酸血症を基盤とした
代謝疾患です。

突然の激しい関節炎発作を
特徴とし、
適切な治療と生活習慣の改善により
コントロール可能な疾患です。

「尿酸値が高いと言われたが
症状はない」という段階から
正しく理解しておくことが
重要です。

■ 痛風の病態

血中尿酸値が7.0mg/dLを超えると
高尿酸血症と診断されます。

尿酸はプリン体の
最終代謝産物であり
水に溶けにくい性質を持ちます。

血中濃度が上昇すると
溶解限界を超えた尿酸が
尿酸一ナトリウム結晶として
関節腔内に沈着します。

この結晶をマクロファージが
異物として認識し
炎症性サイトカイン
(IL-1β・TNF-α等)を
大量に放出します。

これが痛風関節炎発作の
病態です。

足の親指の付け根
(第一中足趾節関節)に
好発する理由は
末梢部位の体温が低く
尿酸の結晶化が
促進されやすいためです。

■ 高尿酸血症の分類

高尿酸血症は
産生過剰型・排泄低下型・
混合型の3つに分類されます。

日本人では排泄低下型が
最も多く約60%を占めます。

治療薬の選択は
この分類に基づいて行われます。

・尿酸産生抑制薬
(フェブキソスタット・
アロプリノール)
→ 産生過剰型・混合型に適応

・尿酸排泄促進薬
(ベンズブロマロン)
→ 排泄低下型に適応

■ 治療薬の使い分け

【急性発作期】
急性痛風発作に対しては
コルヒチン・NSAIDs・
ステロイドが使用されます。

重要な注意点として、
発作中・発作直後に
尿酸降下薬を開始・変更すると
血中尿酸値の急激な変動により
発作が遷延・再燃するリスクがあります。

発作急性期は
消炎鎮痛に専念し
尿酸降下薬の開始・調整は
発作消退後に行うことが原則です。

【慢性期・予防】
発作消退後に
尿酸降下薬を開始し
目標尿酸値6.0mg/dL以下を
目指します。

自覚症状が消えても
薬を自己中断すると
尿酸値が再上昇し
発作・合併症リスクが
再び高まります。
継続服用の重要性を
正しく理解することが
必要です。

■ 生活習慣の介入ポイント

薬物療法と並行して
以下の生活習慣改善が重要です。

【水分補給】
1日2リットル以上の
水分摂取により
尿量を増やし
尿中への尿酸排泄を促進します。

【食事管理】
プリン体の多い食品
(レバー・干物・
白子・ビールなど)の
過剰摂取を控えます。
ただし食事由来の尿酸は
全体の約20%であり
食事制限のみでの
コントロールには限界があります。
薬物療法との組み合わせが
必要です。

【アルコール制限】
アルコールは
尿酸産生を増加させ
尿酸排泄を低下させます。
特にビールは
プリン体を多く含むため
注意が必要です。

【適度な運動】
肥満は高尿酸血症の
リスク因子であるため
適度な運動による
体重管理が有効です。

ただし激しい無酸素運動は
尿酸産生を増加させるため
有酸素運動が推奨されます。

■ まとめ

痛風は高尿酸血症を基盤とした
管理可能な疾患です。

急性発作期と慢性期で
治療の目標が異なるため
薬の役割を正しく理解した上で
継続的に服用することが重要です。

薬で尿酸値を管理しながら、
水分補給・食事・運動という
生活習慣を整えること。
それが痛風と長く付き合う
現実的なアプローチです。

痛風・尿酸値管理について
ご不明な点がある方は
お気軽にご相談ください。

───
北川 俊一(薬剤師 / スポーツファーマシスト)
Well Lab — well-lab-kitagawa.net

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