慢性疲労と生活習慣——
疲れやすさの原因を
睡眠・栄養・運動から整理する
悩み:最近疲れやすくなった、年齢のせい?
「昔より疲れやすくなった」
「休んでも疲れが取れない」
こうした訴えは
薬局での服薬指導の場面でも
非常によく聞きます。
生活習慣の乱れが
疲労感の背景にあるケースを
多く経験していますが
まず重要な前提をお伝えします。
受診勧奨:まず医学的疾患を除外する
疲れやすさの原因には
生活習慣だけでなく
以下の医学的疾患が
隠れているケースがあります。
・甲状腺機能低下症
・鉄欠乏性貧血(特に女性)
・睡眠時無呼吸症候群
・うつ病・適応障害
・悪性腫瘍の初期症状
以下に該当する場合は
生活習慣の改善より先に
医療機関への受診を
推奨します。
・2週間以上疲れやすさが続く
・急に疲れやすくなった
・体重減少・発熱・
息切れなどの症状を伴う
・十分な睡眠をとっても
全く改善しない
上記に該当しない方で
生活習慣の乱れが
疑われる場合に
以下の整理が参考になります。
現場と自分の経験から
服薬指導の場面で
「最近疲れやすい」という
患者さんに詳しく伺うと
睡眠不足・タンパク質不足・
運動不足のいずれかが
関与しているケースを
多く経験しています。
競技ボディビルに取り組む中でも
睡眠・栄養・運動の
どれか一つが崩れただけで
体のパフォーマンスが
明確に低下することを
実感しています。
この3つは年齢に関係なく
体のエネルギーと回復を
支える基盤です。
疲れやすさの3つの主要因
睡眠不足・睡眠の質の低下
睡眠中に分泌される成長ホルモンは
組織修復・免疫機能強化・
代謝の正常化に関与します。
睡眠が不足または質が低下すると
この回復プロセスが不完全となり
疲労が翌日に持ち越されます。
「寝ても疲れが取れない」という方の
多くは睡眠の深さ・質に
問題があります。
タンパク質・ビタミンB群の不足
タンパク質は筋肉・臓器・
酵素・ホルモンの材料です。
不足すると体の修復・
維持が追いつかなくなり
慢性的な疲労感につながります。
タンパク質摂取量の目安は
対象によって異なります。
一般成人(WHO推奨):
体重×0.8g/日
活動的な成人・高齢者:
体重×1.2〜1.6g/日
アスリート・筋肥大目的:
体重×1.6〜2.2g/日
(競技種目・目的によっては
2.0g超が推奨されるケースもある)
自分自身のボディビル競技期間中は
体重×2.0g以上を
意識して摂取しています。
まず自分の摂取量が
どのレベルにあるかを
確認することが重要です。
ビタミンB群は
エネルギー代謝の補酵素として
不可欠な栄養素です。
不足するとエネルギー産生が
低下し疲れやすくなります。
運動不足
運動不足が続くと
筋肉量が低下し
基礎代謝が落ちます。
少し動いただけで
疲れやすい体に
なっていきます。
適度な運動は
ミトコンドリアの機能を高め
エネルギー産生効率を
向上させる方向に働きます。
ただし運動の効果は
強度・頻度・個人の状態によって
大きく異なります。
まずは無理のない強度・頻度から
始めることを推奨します。
3つは繋がっている
睡眠・栄養・運動は
相互に影響しあっています。
睡眠が改善すると
運動する気力が出てくる。
運動をすると
食欲・栄養吸収が改善する。
栄養が整うと
睡眠の質が上がる。
一つを改善すると
他の二つにも
良い影響が波及します。
どれか一つから始めることが
重要です。
生活習慣の介入ポイント
今一番できていないものを
一つ改善するところから
始めてください。
睡眠が不足している場合
今夜30分早く横になる。
栄養が乱れている場合
明日の食事に
タンパク質を一品足す。
運動が不足している場合
今週一度だけ10分歩く。
まとめ
疲れやすさを
年齢のせいと諦める前に
まず医学的疾患の除外を行い
その上で睡眠・栄養・運動という
3つの生活習慣を見直すことを
お勧めします。
疲れやすさが2週間以上続く場合や
他の症状を伴う場合は
速やかに医療機関を受診してください。
慢性疲労・生活習慣についてご不明な点は
お気軽にご相談ください。
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北川 俊一(薬剤師 / スポーツファーマシスト)
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