2026/01/10

解熱剤は「とりあえずの鎮痛薬」ではありません 上がりすぎた熱を下げるための選択 — 正しく使えば味方、何となく使うと不利になることも

こんちには、筋肉薬剤師の北川俊一です。

「熱が出たらとりあえず解熱剤を飲む」── 忙しい日常ではそう考えがちです。確かに、解熱剤はつらい症状を和らげ、日常生活を支える役割があります。しかし一方で、使いどころを誤ると体の自然な回復を妨げる場合があることも事実です。本記事では、解熱剤の基本的な考え方と、状況に応じた対処の指針をわかりやすくまとめます。

解熱剤は「上がりすぎた熱を安全に下げ、つらさを和らげるための道具」です。

熱そのものが免疫反応の一部である場合は、安易に解熱だけを目的として使用するのではなく、まずは休養・水分補給など基本対応を行い、症状の程度やリスクに応じて薬の使用を検討してください。

なぜ「とりあえず飲む」のが問題なのか(理由)

• 発熱は免疫反応の一部

発熱はウイルスや細菌に対する体の反応の一つです。熱を下げすぎると、局所あるいは全身の免疫反応に影響する可能性があります。

• 症状の評価が難しくなる

解熱剤で数値が下がると一時的に楽になりますが、状態の変化や悪化(脱水や重い感染症など)を見逃しやすくなることがあります。

• 薬の副作用や相互作用のリスク

他の薬と併用した際の副作用や、持病のある方では注意が必要です。市販薬でも服用歴を確認することが重要です。

具体的な判断と対応(ケース別の考え方)

まず様子をみてよいケース

• 比較的元気で、水分が摂れている

• 日常生活が大幅に阻害されていない(軽度の寒気・節々の痛みなど)

対応:水分補給・安静・十分な休養を優先。つらさが増す、または長引く場合は薬の使用や受診を検討。

解熱剤を検討してよいケース

• 頭痛・関節痛などの不快感が強く、眠れない・水分がとりにくい場合

• 高熱により日常動作が困難(特に乳幼児・高齢者は慎重に判断)

対応:症状を和らげる目的で解熱剤を使用。薬の種類や既往歴、常用薬との相互作用は薬剤師・医師に確認。

ただちに医療機関へ相談すべきケース

• 呼吸困難、意識障害、激しい胸痛、持続する嘔吐など重篤な症状

• 高齢者・乳幼児・免疫低下者・慢性疾患のある方で状態が悪化する場合

対応:速やかに医療機関へ連絡・受診してください。

実践チェックリスト(まず行うこと)

• まず:十分な水分補給と安静を。無理に動かさない。

• 症状が軽度〜中等度:体温の経過を観察。休息・水分で改善がなければ相談を。

• 症状が強い/不安がある:薬剤師に相談して薬の適否を確認。常用薬や持病がある場合は必ず伝える。

• 重い症状や急変:自己判断せず医療機関へ連絡。

まとめ(伝えたい最終メッセージ)

解熱剤は有用な“道具”ですが、万能ではありません。症状をただ数字で下げるだけでなく、**なぜ熱が出ているか(原因)と誰が発熱しているか(本人のリスク)**を踏まえ、適切に判断することが重要です。迷ったときは、薬局で薬剤師にご相談いただくか、速やかに医療機関に連絡してください。適切な使い方をすれば、解熱剤は回復を支える大きな味方になります。

※ 本文は一般的な情報提供を目的としています。個別の診断や処方を行うものではありません。症状や既往歴により対応は異なりますので、具体的な判断は専門の医師・薬剤師にご相談ください。

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