花粉症の相談で、
「この薬は眠くなりにくいですよ」
と説明を受け、安心した経験はないでしょうか。
• 眠くならないなら仕事に支障が出にくそう
• 家事や運転も問題なさそう
• とりあえず安全だと感じる
「眠くならない」という言葉は、
薬を選ぶうえで大きな安心材料になります。
ただし、ここには一つ、
知っておいてほしい視点があります。
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結論|眠気がないことと、影響がないことは別
先に結論を整理します。
眠気が出ない薬であっても、
体や脳への影響がゼロとは限りません。
抗ヒスタミン薬の副作用は、
眠気だけではないためです。
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眠気以外に起こる「気づきにくい変化」
抗ヒスタミン薬の影響として、
• 集中力の低下
• 判断力の鈍化
• 作業効率の低下
といった変化が起こることがあります。
これらは
インペアード・パフォーマンス
と呼ばれます。
この状態の特徴は、
• 強い眠気がなくても起こる
• 本人が自覚しにくい
• 「いつも通り」のつもりで過ごしてしまう
という点にあります。
つまり、
「眠くない=問題ない」
とは言い切れないのです。
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日常で起こりやすいサイン
花粉症の時期に、次のような変化を感じたことはないでしょうか。
• ケアレスミスが増えた
• 仕事や家事が思ったより進まない
• 運転中の反応が遅れた気がする
• 夕方になると理由なく疲れる
眠気がないため、
「気のせい」「花粉のせい」と流されがちですが、
薬の影響と花粉症そのものの負担が
重なっている可能性もあります。
特に注意したいのは、
本人が問題ないつもりで行動してしまう点です。
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薬は「避けるもの」でも「万能」でもない
ここで大切なのは、
薬を怖がることでも、否定することでもありません。
花粉症薬は、
• つらい症状を抑える
• 生活の質を保つ
ために欠かせない存在です。
ただし、
• 眠くなるかどうか
だけでなく
• 生活や役割にどう影響するか
この視点を持つことで、
薬との付き合い方はより現実的になります。
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まとめ|判断基準を一段引き上げる
花粉症薬を選ぶ際は、
• 「眠くならないから安心」
という基準だけでなく、
• 今の生活リズムに合っているか
• 仕事・家事・運転への影響はどうか
まで含めて考えることが重要です。
「眠くならない薬=正解」ではありません。
どの場面で、どう使うか。
そこまで含めて考えることが、
薬に振り回されない選び方につながります。
薬を上手に使いながら、
無理のない花粉症対策を続けていきましょう。
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筋肉薬剤師 北川俊一
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