2026/01/29

「眠くならない薬」なら安心? ― 花粉症薬で見落としやすい注意点 ―

花粉症の相談で、

「この薬は眠くなりにくいですよ」

と説明を受け、安心した経験はないでしょうか。

• 眠くならないなら仕事に支障が出にくそう

• 家事や運転も問題なさそう

• とりあえず安全だと感じる

「眠くならない」という言葉は、

薬を選ぶうえで大きな安心材料になります。

ただし、ここには一つ、

知っておいてほしい視点があります。

結論|眠気がないことと、影響がないことは別

先に結論を整理します。

眠気が出ない薬であっても、

体や脳への影響がゼロとは限りません。

抗ヒスタミン薬の副作用は、

眠気だけではないためです。

眠気以外に起こる「気づきにくい変化」

抗ヒスタミン薬の影響として、

• 集中力の低下

• 判断力の鈍化

• 作業効率の低下

といった変化が起こることがあります。

これらは

インペアード・パフォーマンス

と呼ばれます。

この状態の特徴は、

• 強い眠気がなくても起こる

• 本人が自覚しにくい

• 「いつも通り」のつもりで過ごしてしまう

という点にあります。

つまり、

「眠くない=問題ない」

とは言い切れないのです。

日常で起こりやすいサイン

花粉症の時期に、次のような変化を感じたことはないでしょうか。

• ケアレスミスが増えた

• 仕事や家事が思ったより進まない

• 運転中の反応が遅れた気がする

• 夕方になると理由なく疲れる

眠気がないため、

「気のせい」「花粉のせい」と流されがちですが、

薬の影響と花粉症そのものの負担が

重なっている可能性もあります。

特に注意したいのは、

本人が問題ないつもりで行動してしまう点です。

薬は「避けるもの」でも「万能」でもない

ここで大切なのは、

薬を怖がることでも、否定することでもありません。

花粉症薬は、

• つらい症状を抑える

• 生活の質を保つ

ために欠かせない存在です。

ただし、

• 眠くなるかどうか

だけでなく

• 生活や役割にどう影響するか

この視点を持つことで、

薬との付き合い方はより現実的になります。

まとめ|判断基準を一段引き上げる

花粉症薬を選ぶ際は、

• 「眠くならないから安心」

という基準だけでなく、

• 今の生活リズムに合っているか

• 仕事・家事・運転への影響はどうか

まで含めて考えることが重要です。

「眠くならない薬=正解」ではありません。

どの場面で、どう使うか。

そこまで含めて考えることが、

薬に振り回されない選び方につながります。

薬を上手に使いながら、

無理のない花粉症対策を続けていきましょう。

筋肉薬剤師 北川俊一

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