睡眠改善の原則④——
食事・アルコール・
夜の対策を設計する
【睡眠改善原則シリーズ・第4回】
はじめに
第1回〜第3回では
睡眠圧・体内時計・
最適睡眠時間という
睡眠の基本メカニズムを
解説してきました。
第4回は
より実践的な
「食事・アルコールの
夜の設計」について
整理します。
何を・いつ食べるか、
お酒をどう取るかは
睡眠の質に
直接影響します。
満腹・空腹が
睡眠の質に与える影響
満腹で就寝する場合
胃に食べ物が
多く残った状態で
就寝すると
消化活動のために
内臓の働きが
活発な状態が
続きます。
本来は
休息モードに入るべき
睡眠中に
内臓が活動を続けることで
睡眠の深度が
低下する傾向があります。
空腹で就寝する場合
血糖値の低下・
空腹感そのものが
入眠を妨げる
要因となります。
満腹・空腹どちらも
睡眠の質を
低下させる方向に
働くため
適度な状態を
保つことが重要です。
食事タイミングの設計
推奨される
食事タイミング
重い食事
(炭水化物・脂質を
多く含む食事)は
就寝の数時間前までに
済ませることが
推奨されます。
就寝直前の食事は
消化に負担の少ない
軽食程度に
留めることが
望ましいです。
夜の会食がある場合は
できるだけ
早い時間に
設定することで
就寝までの
消化時間を
確保できます。
残業時の実践的対策:分食
仕事の都合で
帰宅が遅くなる日は
就寝前の
重い食事を
避けることが
難しくなります。
このような場合に
有効な方法が
「分食」です。
分食の具体的な方法
オフィスで
先に軽い食事を
済ませておく
(例:おにぎり・
サラダなど)。
帰宅後は
さらに軽い食事
(例:スープ・
少量のタンパク質)に
留める。
このように
食事を2段階に
分けることで
就寝前の
胃への負担を
軽減できます。
週1〜2回程度の
残業パターンに対応できる
基本の食事パターンを
2種類程度
あらかじめ
準備しておくことで
当日の判断負担を
減らすことができます。
アルコールと睡眠
アルコールが
睡眠に与える影響
アルコールには
鎮静作用があり
入眠を
早める効果があります。
しかし
睡眠後半では
アルコール代謝による
中途覚醒の増加・
レム睡眠の減少などが
生じやすく
睡眠の質が
低下する傾向が
知られています。
個別最適化の
実践テクニック
アルコールが
睡眠に与える影響は
摂取量に比例して
徐々に悪化するのではなく
ある一定量
(しきい値)を超えると
睡眠スコアが
急激に低下する
パターンが
多く見られます。
ウェアラブルデバイスで
睡眠スコアを
記録できる場合は
自分にとっての
「スコアが急降下する
飲酒量のしきい値」を
把握することを
推奨します。
このしきい値を
知ることで
「その日の
飲酒量の上限」を
個別に
設定することが
可能になります。
空腹対策:温熱と軽い糖質
ダイエット・
糖質制限中は
夜間の空腹感により
入眠が
妨げられることが
あります。
温かい飲み物の活用
温かい飲み物の摂取により
体温が
一時的に上昇し
その後の
体温低下過程で
眠気が
誘発されやすくなります。
カフェインを含まない
ハーブティー・
白湯などが
適しています。
軽い糖質の活用
完全な空腹状態を
我慢し続けることで
生じる
ストレス・覚醒状態が
睡眠の質を
かえって
低下させる
可能性があります。
少量の糖質
(バナナ半分・
少量のはちみつなど)を
摂取することで
入眠を
助けられる
ケースがあります。
食事制限と
睡眠の質を
両立させるためには
完全な禁止より
適度な調整が
有効な場合が
あります。
現場と自分の経験から
競技ボディビルに
取り組む中で
減量期は
食事タイミングへの
配慮が
特に重要になります。
夜間の空腹感により
睡眠に
支障が出た
経験を
何度も
しています。
完全に
空腹を我慢するより
少量の調整を
取り入れた方が
結果的に
翌日のパフォーマンスが
良好だったことを
実感しています。
固定的なルールの
完全遵守より
自分の体の状態に
合わせた
柔軟な調整の方が
長期的な
継続性・効果に
つながると
考えています。
まとめ
夜の食事・アルコールの
設計は
睡眠の質に
直接影響します。
満腹・空腹の
両極を避け
就寝数時間前までに
重い食事を
済ませることが
基本です。
残業時は
分食という
実践的な対策が
有効です。
アルコールは
個人ごとの
しきい値を
把握することで
個別最適化が
可能になります。
空腹時は
温かい飲み物・
軽い糖質の活用も
選択肢の一つです。
次回(第5回)は
睡眠改善の原則5つ目を
お伝えします。
睡眠・食事管理についてご不明な点は
お気軽にご相談ください。
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北川 俊一(薬剤師 / スポーツファーマシスト)
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