はじめに
前回(第8回)は
個別性の原則について
解説しました。
第9回は
シリーズ最終回として
5つ目の
実践的原則である
「反復性・継続性の原則」を
解説します。
すべての原理原則の
基盤となる
最も根本的な
考え方です。
反復性・継続性の原則とは
反復性・継続性の原則とは
1回の運動では
身体的な変化は
生じず
同じ刺激を
繰り返し
継続的に
与えることで
はじめて
身体が
適応・変化していくという
原則です。
これは
第2回で
解説した
過負荷の原理・
第3回で
解説した
可逆性の原理とも
深く
関連しています。
刺激が
1回では
適応は
起きません。
反復によって
「このレベルの
刺激が
継続的に
必要だ」と
身体が
認識することで
初めて
適応が
生じます。
「週1回より
毎日5分が
価値を持つ場合がある」
背景
単純な
運動量比較では
週1回・1時間の
運動の方が
毎日5分の
運動より
多いです。
しかし
継続性という観点では
以下の
理由から
毎日5分の
取り組みが
優位な場合が
あります。
刺激の頻度
身体は
継続的に
繰り返される
刺激に
より
強く
適応する
傾向があります。
週1回の
刺激より
毎日の
刺激の方が
「継続的に
必要な機能」として
身体に
認識されやすいです。
習慣化のしやすさ
毎日行う
行動は
「特別なイベント」ではなく
「日常の一部」として
定着しやすいです。
週1回のジム通いは
予定・
体調の変化によって
中断されやすいのに対し
毎日5分は
歯磨きのような
日常的な
習慣として
継続されやすくなります。
継続が
すべての前提である理由
本シリーズを
通じて
繰り返し
触れてきた
重要な
考え方があります。
どれだけ
理論的に
優れた
運動プログラムでも
継続されなければ
効果は
得られません。
第3回の
可逆性の原理で
解説したように
身体機能は
トレーニングを
中止すると
低下します。
「短期間の
集中的な取り組み」より
「長期的な
継続」の方が
健康寿命への
影響は
はるかに
大きいです。
「完璧な継続」より
「ゼロにしない」
継続において
重要な
考え方があります。
「毎日
完璧に行わなければ
意味がない」という
考え方は
必ずしも
正確ではありません。
サボる日が
あっても
構いません。
重要なのは
「完全に
中止しない」ことです。
3日
できなかった場合でも
4日目に
再開する。
1週間の
中断があっても
翌週から
また
始める。
「ゼロにしない」という
目標設定が
長期的な
継続において
現実的かつ
効果的なアプローチです。
これは
第7回の
漸進性の原則とも
共通する
「完璧より
継続」という
考え方に
つながります。
継続を実現するための
実践的アプローチ
行動と習慣を
結びつける
「朝起きたら
すぐにストレッチ」
「歯磨き後に
スクワット10回」など
既存の
日常的な行動に
運動を
セットにすることで
「行うかどうかを
考える」ステップを
省略できます。
これにより
継続のための
意志力消費を
最小化できます
(第7回の
環境設計と
共通する
考え方です)。
ハードルを
下げすぎるくらい
下げる
継続が目的の場合
「今日は
1回だけでよい」という
設定も
有効です。
1回行うことで
「行った」という
事実が
残ります。
これが
次の継続の
起点と
なります。
記録による
フィードバック
継続日数・
実施内容を
記録することで
「続いている」という
視覚的な
フィードバックが
得られます。
これが
継続の
動機づけに
なります。
現場と自分の経験から
競技ボディビルに
取り組む中で
「一度の
高強度な
トレーニング」より
「長期的な
地道な
積み重ね」が
最終的な
結果を
決定づけることを
実践的に
理解しています。
試合前の
短期的な
集中取り組みではなく
オフシーズンも
含めた
長期的な
継続が
競技の
結果を
作ります。
「一発逆転」は
ありません。
変化は
必ず
繰り返しによって
生じます。
これは
競技者に
限らず
毎日5分の
ストレッチを
継続している
一般の方にも
同様に
当てはまる
考え方です。
シリーズ全9回のまとめ
本シリーズでは
以下の
3つの原理と
5つの原則を
解説してきました。
3つの原理
(基礎理論)
原理① 過負荷の原理
今までと同じ刺激では
変わらない。
少しだけ
負荷を上げることが
適応の出発点。
原理② 可逆性の原理
鍛えた体は
やめると戻る。
継続こそが
すべての前提。
原理③ 特異性の原理
体は
与えられた刺激に
特異的に
適応する。
目的に合った
運動を
選ぶことが
不可欠。
5つの原則
(実践理論)
原則① 全面性の原則
筋力・持久力・
柔軟性・
バランス能力を
バランスよく
考える。
原則② 意識性の原則
何のためかを
理解して
行うことで
効果が高まる。
原則③ 漸進性の原則
少しずつ
負荷を上げる。
最初から
頑張りすぎない。
原則④ 個別性の原則
人によって
最適解は違う。
運動も
個別化が
必要。
原則⑤ 反復性・継続性の原則
変化は
繰り返しによって
起こる。
ゼロにしないことが
最大の原則。
すべてに
共通する
考え方があります。
「頑張ること」より
「続けること」。
一時的な
大きな努力より
地道な
小さな積み重ねが
健康寿命を
延ばします。
運動の原理原則を
一言で
まとめるならば
「体は
与えた刺激に
適応する。
だから
無理なく
続けられる刺激を
繰り返すことが
大切」
これが
すべての
出発点であり
終着点です。
このシリーズが
皆さんの
健康づくりの
土台に
なれば幸いです。
運動・健康づくりについてご不明な点は
お気軽にご相談ください。
───
北川 俊一(薬剤師 / スポーツファーマシスト)
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