はじめに
「健康診断の結果を見ても、数値の意味がよくわからない」「病気と言われたけど、自分の体で何が起きているのかイメージできない」。こういう声を、薬局の服薬指導の現場でよく耳にします。
このシリーズは、生活習慣病を「怖がるため」ではなく「正しく理解するため」に作りました。病気を知ることが、健康寿命を守る第一歩になると考えています。
なぜ「知ること」が重要なのか
生活習慣病の多くは、初期段階では自覚症状がほとんどありません。血圧が高くても、血糖値が上がっていても、コレステロールが異常値でも、日常生活では「何も感じない」ことがほとんどです。
症状がないまま静かに進行し、ある日突然、脳梗塞・心筋梗塞・腎不全といった深刻な状態として現れることがあります。これが生活習慣病の最も怖い側面です。
だからこそ「知らない」ことが、健康寿命を縮める最大のリスクの一つだと感じています。病気の仕組みを知っていると、健康診断の数値の意味が理解できます。「なぜこの数値が問題なのか」「放置するとどうなるのか」が見えてくると、早期発見・早期対処への行動につながります。
「怖い話」ではなく「理解の話」
病気の話をすると「怖い」と感じる方がいます。しかしこのシリーズでお伝えしたいのは、恐怖ではなく正確な理解です。
「血圧が高い状態が続くと血管に何が起きるか」を知ることは、怖がるためではなく「だから早めに対処することに意味がある」と理解するためです。同じ情報でも、受け取り方が変わると行動が変わります。
病気を知ることは、自分の体を知ることに直結します。
このシリーズで扱う生活習慣病
全6回で、以下の生活習慣病を取り上げます。
– 第1回:高血圧
– 第2回:脂質異常症
– 第3回:糖尿病
– 第4回:高尿酸血症・痛風
– 第5回:慢性腎臓病(CKD)
– 第6回:骨粗しょう症
これらはいずれも日本人に非常に多く、健康寿命に大きく影響する病気です。そして共通しているのは「早期発見・早期対処で、進行を遅らせることができる」という点です。
各記事で取り上げる内容
このシリーズの各記事では、以下の視点から一つひとつの病気を整理します。
病気の定義・概要をわかりやすく説明する。体の中で何が起きているかをイメージしやすく解説する。なぜ起こるのか、リスク要因を整理する。放置するとどうなるかを正確に伝える。よくある誤解を一つ取り上げて整理する。薬剤師として伝えたいポイントを一つまとめる。
予防法や治療法の詳細を伝えることが目的ではありません。まず病気の仕組みを理解してもらうことを最優先にしています。
薬剤師として伝えたいこと
「薬を飲めば大丈夫」でも「生活習慣を変えれば薬はいらない」でもありません。薬には薬の役割があり、生活習慣には生活習慣の役割があります。このシリーズでは、その両方を正直にお伝えします。
病気の仕組みを理解することで、「なぜ薬が必要なのか」「なぜ生活習慣が大切なのか」を自分で判断できるようになることを目指しています。「先生に言われたから飲んでいる」ではなく「この病気の仕組みを理解した上で、この対処をしている」と感じてもらえること。それがこのシリーズの目指すゴールです。
「薬を否定しない。でも薬だけに頼らない。」このWell Labのコアメッセージは、このシリーズ全体を通じた視点でもあります。
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病気を知ることは、自分の体を知ること。
正しい知識は、健康寿命を守る第一歩です。
Well Labでは、これからも薬剤師の視点で、健康寿命につながる知識をわかりやすくお届けしていきます。
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北川 俊一(薬剤師 / スポーツファーマシスト)
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