2026/04/21

忙しいから睡眠を削る。 その判断が一番高くつく理由| 筋肉薬剤師が教える、睡眠という最大の投資

睡眠不足が健康に与えるコスト——

薬剤師・競技者の視点から考える睡眠の重要性

■ 睡眠を削ることへの誤解

「忙しいから睡眠を削るしかない」

「4〜5時間あれば十分」

「睡眠より優先すべきことがある」

こうした考えで

慢性的な睡眠不足に

陥っている方は非常に多くいます。

しかし睡眠不足が

心身に与えるコストは

多くの方が認識している以上に

深刻です。

薬局での服薬指導の現場でも

生活習慣病・慢性疲労・

メンタルヘルスの問題の背景に

慢性的な睡眠不足が

関与しているケースを

多く経験します。

■ 現場と自分の経験から

服薬指導の場面で

気になることがあります。

生活習慣病の薬を

複数飲んでいる患者さんの

多くが睡眠不足を

抱えているということです。

薬で数値を管理しながら

睡眠を削り続けている。

薬の効果を最大化するための

土台である睡眠が

不足している状態では

薬本来の力が

発揮されにくくなります。

競技ボディビルに

取り組んでいる自身の経験からも

睡眠の重要性を

強く実感しています。

減量期に睡眠時間が

落ちた時期は

同じトレーニング負荷でも

筋力の低下・回復の遅延が

明らかでした。

睡眠を削ることのコストを

体で経験してきました。

■ 睡眠不足が引き起こす具体的な問題

睡眠不足は体全体に

影響を与えます。

【認知機能・パフォーマンスへの影響】

17〜19時間の覚醒継続により

認知パフォーマンスが

血中アルコール濃度0.05%相当まで

低下することが研究で示されています。

判断力・集中力・

ワーキングメモリが著しく低下し

「頑張って夜遅くまで作業したのに

翌日効率が落ちた」という状況は

意志の問題ではなく

生理的な機能低下によるものです。

【身体的健康への影響】

慢性的な睡眠不足

(6時間以下/日)は

以下のリスク増加と

関連することが報告されています。

・肥満リスク上昇

・2型糖尿病リスク上昇

・高血圧・心血管疾患リスクの上昇

・免疫機能の低下

・うつ病・不安障害リスクの上昇

【成長ホルモンと筋肉回復への影響】

入眠後90分の深いノンレム睡眠時に

成長ホルモンの分泌が最大化されます。

成長ホルモンは

筋タンパク質合成の促進・

細胞修復・代謝の正常化に

直接関与します。

睡眠を削ることは

体の修復・回復の機会を

失うことを意味します。

■ 睡眠あり・なしの比較

同じ24時間でも

睡眠の質・量によって

翌日のパフォーマンスは

大きく変わります。

【睡眠不足の翌日】

頭が重い・集中力低下・

判断が遅い・

甘いものへの欲求増加・

免疫低下・回復遅延

【十分な睡眠の翌日】

頭がすっきり・判断が速い・

集中が持続・

体の回復が促進・

免疫機能の維持

睡眠を削って

長時間作業するより

睡眠を確保して

短時間で高いパフォーマンスを

発揮するほうが

長期的に見て

圧倒的に効果的です。

■ 今日からできること

今夜30分早く横になる。

これだけです。

完璧な睡眠環境を

整える必要はありません。

就寝時刻を30分前倒しするだけで

睡眠総量が増加し

深いノンレム睡眠の

確保が改善されます。

加えて以下の介入も推奨されます。

・就寝1時間前の

 スマートフォン使用制限

・起床時間の一定化

・就寝前の38〜40℃入浴

・カフェイン摂取を

 就寝6時間前までにとどめる

睡眠は時間のコストではなく

翌日のパフォーマンスへの

最大の投資です。

睡眠・生活習慣についてご不明な点は

お気軽にご相談ください。

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北川 俊一(薬剤師 / スポーツファーマシスト)

Well Lab — well-lab-kitagawa.net

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