はじめに
「糖質を抜かないと痩せない」
「脂質は体に悪い」
「炭水化物を食べると太る」
毎年のように
特定の栄養素を
「悪者」とする
情報が登場します。
しかし
炭水化物・たんぱく質・脂質の
三大栄養素は
いずれも
体にとって
必要な栄養素です。
第3回は
三大栄養素の
正しい役割を
整理した上で
ご飯・具沢山の味噌汁・
おかずという
シンプルな食卓が
バランスを
自然に
作ることを
解説します。
三大栄養素の
それぞれの役割
炭水化物(糖質)
炭水化物は
体と脳の
主要な
エネルギー源です。
特に脳は
ブドウ糖を
主要な
エネルギー源として
使用します。
糖質が
不足すると
体はたんぱく質を
エネルギーとして
使い始めます。
筋肉の材料が
エネルギーとして
消費される
状態です。
ご飯を
しっかり食べることが
たんぱく質を
体の材料として
守ることにも
つながっています。
脂質
脂質には
以下の
重要な役割が
あります。
細胞膜の
構成材料。
性ホルモン・
副腎皮質ホルモンなど
多くのホルモンの
合成材料。
脂溶性ビタミン
(A・D・E・K)の
吸収補助。
体温の維持。
脂質を
極端に制限すると
ホルモンバランスの
乱れ・
脂溶性ビタミンの
吸収不足が
生じる可能性があります。
脂質は
種類と量の
管理が重要であり
「全部ダメ」ではなく
「どの脂質を
どれくらい」という
視点が必要です。
たんぱく質
前回解説した通り
筋肉・骨・血液・
ホルモン・免疫の
材料となる
最重要な
栄養素の一つです。
現代の食事では
不足しがちな
傾向があります。
意識的に
摂取することが
特に重要な
栄養素です。
「悪者論」が
生まれる理由と問題点
特定の栄養素が
「悪者」とされる
背景には
「減らしたら
短期的に
効果が出た」という
経験があります。
糖質を制限すると
体内のグリコーゲン・
水分が
減少するため
短期的に
体重が
低下します。
脂質を制限すると
カロリー摂取量が
減少するため
短期的に
体重が
低下する
場合があります。
しかしこれらは
「短期的な体重変化」であり
「長期的な健康への影響」とは
別の問題です。
一つの栄養素を
極端に
制限することで
別の部分に
影響が
生じます。
栄養は
足し算でも
引き算でも
ありません。
バランスの問題です。
薬剤師として
伝えたいこと
「○○を抜く」系の
情報は
短期的に
効果が
見えやすいため
注目されます。
しかし
長期的に
体に何が
起きているかを
見ることが
重要です。
薬の副作用と
同様に
栄養素の
過剰な制限にも
長期的な
影響があります。
糖質を
長期的に
極端に制限すれば
筋肉量の
低下・
エネルギー不足が
生じます。
脂質を
長期的に
極端に制限すれば
ホルモンバランスの
乱れ・
ビタミン吸収不足が
生じます。
「何かを減らすこと」より
「バランスを整えること」が
健康への
正しい方向です。
ご飯・味噌汁・おかずが
バランスを自然に作る
三大栄養素の
バランスを
難しく考える
必要は
ありません。
ご飯・
具沢山の味噌汁・
おかずを
食べるだけで
三大栄養素の
バランスが
自然に
整います。
ご飯
→ 炭水化物(糖質)
体と脳のエネルギー源。
具沢山の味噌汁
→ たんぱく質・
ビタミン・ミネラル・
食物繊維
発酵食品として
腸内環境も整える。
おかず(主菜)
→ たんぱく質・脂質
体の材料を補給。
「バランスよく食べる」を
複雑に考えず
この3つを
揃えることが
すでに
バランスを
取る行為です。
現場と自分の経験から
競技ボディビルに
取り組む中で
炭水化物・たんぱく質・
脂質を
数値で
管理します。
極端な
糖質制限を
していた時期も
ありましたが
長期的に
パフォーマンスが
低下し
疲労感が
増した
経験があります。
ご飯を
しっかり食べながら
三大栄養素の
バランスを
整える方が
長期的に
体が
安定することを
実感しています。
「何かを
極端に減らす」より
「3つのバランスを
整える」方が
体に
優しく
続けやすいです。
まとめ
炭水化物・
たんぱく質・
脂質の
三大栄養素は
いずれも
体にとって
必要な栄養素です。
敵ではありません。
特定の栄養素を
極端に制限することは
短期的な効果と引き換えに
長期的な
影響が
生じる可能性があります。
栄養は
足し算でも
引き算でも
なく
バランスの問題です。
ご飯・
具沢山の味噌汁・
おかずという
シンプルな3つを
続けることが
三大栄養素の
バランスを
保ち続ける
最も現実的な
アプローチです。
次回(第4回)は
「食べる順番より
食事全体を見る」を
解説します。
栄養・食事についてご不明な点は
お気軽にご相談ください。
───
北川 俊一(薬剤師 / スポーツファーマシスト)
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