はじめに
「昨日食べすぎてしまった」「今日は野菜が足りなかった」「外食が続いてしまった」。こういう気持ちになったとき、「また失敗した」と感じていませんか。
1回の食事で健康が決まるわけでも、1回の食事で健康が崩れるわけでもありません。完璧な食事を目指すより、70点の食事をゆるく毎日続けることの方が、健康寿命にとってはるかに価値があります。
100点を目指すと続かない理由
「完璧な食事をしなければ」という意識が強くなると、食事へのストレスが増大します。少し外れるたびに「またダメだった」と感じ、やがて「どうせ無理だ」と諦めてしまう。薬局の現場でもよく見てきたパターンです。
完璧主義が継続を妨げます。100点の食事を週1回するより、70点の食事を毎日続ける方が、体への積み重ねははるかに大きいです。どんな健康習慣でも、続けることが最も難しく、最も大切です。
70点の食事とは何か
「70点の食事」を難しく考える必要はありません。ご飯・具沢山の味噌汁・おかずの3つが揃っていれば、それが70点の食事です。
スーパーフードは要りません。すべてを無農薬にする必要もありません。外食の日があっても構いません。完璧に栄養計算する必要もありません。「今日もこの3つが揃った」という事実の積み重ねが、筋肉・骨・血液・免疫を作り続け、健康寿命を延ばしていきます。
完璧でない日があってもいい
栄養管理を長く続けるために、最も大切な考え方があります。「完全にやめない」ということです。
外食続きの週があっても、翌週からまた3つを揃えることに戻ればいい。体調が悪くて食べられない日があっても、回復したら戻ればいい。このゆるさが、長期的な継続を支えます。3日休んでも4日目に戻れる人が、結局一番長く続けられます。
「乱れたから、もうやめよう」ではなく「乱れたけど、また戻ろう」。この小さな違いが、10年後の体の差になります。
ゆるく続けることの力
「ゆるくていいの?」と感じる方もいると思います。でも、続けることは「ゆるくなければ」できません。
人間の意志力は有限です。毎食完璧を目指すことは、長期的には非常に高い負荷がかかります。逆に「大体これが揃っていればいい」という基準を持っている人は、プレッシャーが少なく食事を楽しみながら続けられます。
競技ボディビルに取り組む中で、食事管理への完璧主義がパフォーマンスを下げた経験があります。「絶対に外れてはいけない」と追い詰めるより、「土台は守りつつ、多少の揺れは許す」という考え方の方が、長期的なコンディションが安定することを実感しています。これは日常の健康づくりにもそのまま当てはまります。
食事を「楽しめているか」も大事
栄養の話をするとき、見落とされがちな視点があります。「食事を楽しめているか」です。
何を食べるかばかりを気にして、食事がストレスになっているなら本末転倒です。好きな人と食べる。季節の食材を楽しむ。外食でおいしいものを食べる。こういった体験も、広い意味での健康に関わっています。
ご飯・具沢山の味噌汁・おかずという土台があれば、そこに多少の「楽しみ」が加わっても、健康は十分に守られます。完璧な管理より、楽しみながら続けられる食事の方が、長い目で見て体に優しいです。
なぜ「毎日の積み重ね」が
これほど重要なのか
健康寿命は、特別な一食でも特別な一週間でもなく、何年・何十年という食事の積み重ねで決まります。
体の細胞は日々入れ替わっています。筋肉・骨・血液・ホルモン・免疫、すべて食事から供給された材料で作り直されています。その材料を毎日安定して供給し続けることが、体の維持・修復・健康寿命の延伸につながります。
「毎日食べること」は義務ではなく、体への投資です。ご飯・具沢山の味噌汁・おかずという70点の食事を、ゆるくても毎日続けることが、最も現実的で最も効果的な健康投資です。
薬剤師として伝えたいこと
「薬を否定しない。でも薬だけに頼らない。」これがWell Labのコアメッセージです。薬は体を助ける大切な手段ですが、食事・睡眠・運動という生活習慣の土台があってこそ、薬は本来の力を発揮します。
特別な食事法も高価なサプリも要りません。ご飯・具沢山の味噌汁・おかずを、ゆるくても毎日続けること。それが健康寿命を延ばすための、最もシンプルで最も強力な習慣です。完璧でなくていい。ただ、続けてください。
まとめ
完璧な食事は存在しません。そして、存在しなくていいです。
– 70点の食事を毎日続けることが100点の食事を週1回するより価値がある
– 完全にやめないことが最大のルール
– 乱れても戻ればいい。そのゆるさが継続を支える
– 食事を楽しむことも健康の一部
– 毎日の積み重ねが、健康寿命を決める
ご飯・具沢山の味噌汁・おかずの3つを、今日から続けてみてください。
栄養・食事についてご不明な点はお気軽にご相談ください。
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北川 俊一(薬剤師 / スポーツファーマシスト)
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