■ はじめに
肌荒れ・湿疹・ニキビなどの皮膚症状に対して
外用ステロイド薬・非ステロイド系抗炎症薬・
抗菌薬含有外用剤などを
使用されている方は多くいらっしゃいます。
適切に使用することで
皮膚の炎症・かゆみ・赤みを軽減する
有効な手段の一つです。
ただし、繰り返す肌荒れには
外用薬だけでは届かない
内的要因が関与していることがあります。
その一つが腸内環境です。
■ 外用薬の作用機序
ステロイド含有外用薬は
皮膚局所での抗炎症作用により
炎症性サイトカインの産生を抑制し
発赤・かゆみ・腫脹を軽減します。
非ステロイド系外用薬は
COX阻害による
局所の抗炎症作用を発揮します。
いずれも「皮膚局所の炎症を抑える」
機序であり、
腸内細菌叢を改善したり
腸管バリア機能を強化する
薬理作用は持ちません。
■ 腸内環境と皮膚症状の関係
(腸管-皮膚軸:Gut-Skin Axis)
近年の研究において
腸内環境と皮膚症状の関連性——
いわゆる「腸管-皮膚軸
(Gut-Skin Axis)」が
注目されています。
腸内細菌叢のバランスが乱れると
(ディスバイオーシス)
腸管バリア機能が低下します。
この状態では
腸管透過性が亢進し
細菌由来のリポ多糖(LPS)などの
有害物質が血液中に侵入しやすくなります。
これが全身性の慢性炎症を引き起こし
皮膚における炎症反応を
増悪させる要因となります。
アトピー性皮膚炎・ニキビ・
慢性蕁麻疹などの皮膚疾患において
腸内細菌叢の乱れとの関連が
報告されています。
外用薬で皮膚局所の炎症を抑えても
腸内環境の乱れが継続する場合
全身性炎症が持続し
皮膚症状が再燃するパターンが
見られます。
■ 生活習慣の介入ポイント
外用薬と並行して
取り入れてほしいのが
発酵食品による腸内環境の改善です。
【発酵食品の日常的な摂取】
発酵食品に含まれる乳酸菌・
ビフィズス菌などのプロバイオティクスは
腸内の善玉菌を増加させ
腸内細菌叢のバランスを改善します。
代表的な発酵食品として
以下が挙げられます。
・ヨーグルト(乳酸菌・ビフィズス菌)
・納豆(納豆菌)
・味噌(麹菌・乳酸菌)
・ぬか漬け・キムチ(乳酸菌)
毎日全種類を食べる必要はありません。
今日の食事に一品
発酵食品を加えるだけで十分です。
加えて食物繊維(プレバイオティクス)の
摂取増加により
腸内善玉菌のエサが補われ
より効果的な腸内環境改善が
期待できます。
皮膚症状が重篤な場合・
長期間改善しない場合は
皮膚科専門医への受診を推奨します。
■ まとめ
外用薬は皮膚の炎症を和らげる
有効な選択肢の一つです。
ただし、薬の作用は
皮膚局所の炎症抑制にとどまります。
腸内環境という内的要因への介入は、
食事の改善と組み合わせて
初めて完結します。
外用薬で肌の炎症を抑えながら、
発酵食品で腸内環境を整えること。
それが、繰り返す肌荒れを改善する
現実的なアプローチです。
肌荒れでお悩みの方、
腸内環境・栄養面でご不安がある方は
お気軽にご相談ください。
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北川 俊一(薬剤師 / スポーツファーマシスト)
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